◎ 夜伽 ◎

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夜中の2時… ぴちゃ…ぺちゃ…びちゃ… 眠れない俺の体が今晩も動かなくなった。 (来た…) ベッドの横まで来ると、俺の足下で足音がピタリと止まった。 今晩の足音は、昨晩までの足音に比べ湿った音をたてている。 『智…』 (この声は…ユウ!?) 『俺のこと…思い出してくれたんだ』 久しぶりに聞くユウの声は、多少弾んでいるように思う。 『あの日のこと…覚えてる?』 (あの日?あの日って……) 『俺達が最後に会った日…』 ユウは俺の心を読んでいるのか、俺が心で思ったことに対して答えてくる。 (最後に会ったのは…指輪を買った日だよな?) 『なあんだ…やっぱり忘れちゃってるのか』 ユウは寂しそうに言った。
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