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夜中の2時…
ぴちゃ…ぺちゃ…びちゃ…
眠れない俺の体が今晩も動かなくなった。
(来た…)
ベッドの横まで来ると、俺の足下で足音がピタリと止まった。
今晩の足音は、昨晩までの足音に比べ湿った音をたてている。
『智…』
(この声は…ユウ!?)
『俺のこと…思い出してくれたんだ』
久しぶりに聞くユウの声は、多少弾んでいるように思う。
『あの日のこと…覚えてる?』
(あの日?あの日って……)
『俺達が最後に会った日…』
ユウは俺の心を読んでいるのか、俺が心で思ったことに対して答えてくる。
(最後に会ったのは…指輪を買った日だよな?)
『なあんだ…やっぱり忘れちゃってるのか』
ユウは寂しそうに言った。
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