◎ 夜伽 ◎

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『彼女の誕生日、あの日智は俺に会いに来たんだよ』 (俺が?あの日、ユウに会った?) 動けない俺の布団を力一杯剥ぎ取り、ユウは俺の足に触れた。 『あの日…智は彼女と別れた後、酔いに酔って俺の所へ来たんだ。フラれたんだって言ってフラフラになってね…』 (思い出せない…) 『そっか…あのことも忘れちゃったんだ…』 (あのこと?どんなことだよっ…) 『あの日、俺の所へ来て、智は泣きながら彼女とのことを俺に話したんだ。そして…智は俺を押し倒し殴ろうとした』 ユウは淡々とあの日のことを語ってくれているが、俺はちっとも思い出せない。 『でもね…殴らなかった。殴らないで俺の上で泣き続けたんだ…それで俺は、弱っているおまえにつけ込んだ』 (つけこむ?) 『無理矢理……俺を抱かせた…』 (…………嘘っ!?抱いた?俺が…ユウを?) 『好きだったから…ずっと好きだったから…でも智は…終わった途端……俺を激しく拒絶した!』 悲しみと怒りを合わせたような、切なくなる叫び声。 『なかったことにしたかったんだろ?だから俺の存在そのものを記憶から消した…』
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