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◇三輪山説話◇
─古事記の三輪山説話─
「訂正古訓古事記」
活玉依毘売(陶津耳命の子)のもとに、正体不明の麗しい男が夜 ごとに訪れ、やがて娘は懐妊する。 怪しんだ両親は「赤い土を床に散らし、へそ(麻の糸巻)の紡麻 (つむいだ麻の糸)を男の衣の裾に刺しなさい」と教える。 夜が明けてみると、糸は戸の鍵穴を通って三輪山の社の所で 終わっていた。そこで初めて、娘は男が大物主神であることを 知る。 その時、戸の内には麻糸が3巻残っていた。そこで、その付 近を「三輪」と呼ぶようになった。(古事記・崇神天皇の条より)
─日本書紀の三輪山説話─
「寛文九年版日本書紀」
倭迹迹日百襲姫(やまとととひももそひめ・孝元天皇の子)は、 大物主神の妻となったが、大物主神は夜しか訪れないため、姿 をはっきりと見ることができなかった。 そこで、姫は朝までいて姿を見せて欲しいと懇願すると、妻 の願いを聞き入れた神は、「明日の朝、櫛箱の中にいる。自分の 姿を見ても決して驚くな」という。 翌朝、櫛箱の中にいたのは、下紐ほどの小さくて美しい蛇で あった。姫は驚いて声を上げてしまう。 大物主神は、恥じて人の姿に戻り、姫を恨んで「おまえにも恥 をかかせてやる」といって、空へ上って三輪山へ帰ってしまっ た。 姫は後悔して座り込んだところ、箸が陰部に刺さって死んで しまった。 そのため姫の墓は「箸墓」と呼ばれた。この墓は、昼は人が造 り、夜は神が造ったという。(日本書紀・崇神天皇10年9月の条 より)
―――古代より、夜だけ見初めた相手と通じる話はいくつかある。
日本の三輪山に関する古事記・日本書紀の話もさることながら、外国、ギリシア神話でもアフロディーテの息子のエロスとプシュケの話もそうではないか?
しかし、ほとんどが神と見初められた人間…
では、俺の場合はいったい…
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