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遡ること約1年前…
当時、25歳の俺 坂上智也は、2年ほど付き合った彼女にプロポーズするつもりだった。
「明日の誕生日は絶対キメる」
俺の隣では高校時代からの友人、阪上悠哉が笑っている。
「智、気合い入れすぎ。明日までもつの?」
俺とは違い、悠哉は中性的で“綺麗”と言いたくなる外見と柔らかい物腰が『独特の雰囲気がある』と多くの女性を惹き付けている。
「プレゼントの指輪も買ったし…って、バレー部だったせいか指が太いって嘆いてたけど、ユウと同じサイズだったから助かったよ。悪かったな、何度も付き合わせちまって」
時々、俺達3人は一緒に食事をしたり映画を観たり。
そんな時、彼女がユウの細い指を見て号数を聞いたら同じだったらしい。
それで、今日はユウに受け取った指輪を指に合わせてもらったんだ。
「ユウはセンスがいいから、本当に助かったよ。俺だときっとザマスおばさんっぽいか、ビーム出そうなのになってたかも…」
「それはちょっと…彼女怒るよ」
俺は笑いながら明日への期待と緊張で胸がいっぱいだった。
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