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「カッコ悪~」
泣きたいのは…こっちだって…
俺は立ち上がると、なんとか冷静を装って会計を済ませ、逃げるように店を後にした。
「まーた…ユウ君かあ」
ユウが悪いわけじゃない。
いつだって、彼女達が勝手にユウに惹かれるだけ。
わかってる…わかってる…わかってる…いつだって、わかってる…
だから俺は、意地でもユウとは切れない。
こんなことでユウから逃げたら、負けの気もするし、何より大切な友達だから……でも…
「今回は、マジでかなりダメージ大だよな…」
時計を見たって、まだまだ早く8時にもなっていない。
「寒っ…飲み直そう…」
俺は白い息を吐きながら、フラフラとあてもなく歩き始めた―――――
―――あの元彼女の誕生日からちょうど一年経った先日から、俺は毎夜不可解な目に遭っている。
もう何日続いてるんだろう?
ただ、毎夜決まった時間になると、それは起こる。
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