◎ 夜伽 ◎

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「カッコ悪~」 泣きたいのは…こっちだって… 俺は立ち上がると、なんとか冷静を装って会計を済ませ、逃げるように店を後にした。 「まーた…ユウ君かあ」 ユウが悪いわけじゃない。 いつだって、彼女達が勝手にユウに惹かれるだけ。 わかってる…わかってる…わかってる…いつだって、わかってる… だから俺は、意地でもユウとは切れない。 こんなことでユウから逃げたら、負けの気もするし、何より大切な友達だから……でも… 「今回は、マジでかなりダメージ大だよな…」 時計を見たって、まだまだ早く8時にもなっていない。 「寒っ…飲み直そう…」 俺は白い息を吐きながら、フラフラとあてもなく歩き始めた――――― ―――あの元彼女の誕生日からちょうど一年経った先日から、俺は毎夜不可解な目に遭っている。 もう何日続いてるんだろう? ただ、毎夜決まった時間になると、それは起こる。
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