わたしは魔女で彼は人間

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「明日、ステイマーくんの家に行ってみようかな」  たぶん遊びにとか誘えないけど、もし会えたら、どうしよう。  わたしはもう一度ネッセルローデくんに電話をする。  ネッセルローデくんがすぐに出て、明日遊ぶ約束をした。  ステイマーくんと仲直りしてもらいたい。だって電話口で悲しそうだった。  ネッセルローデくんは絶対ステイマーくんと仲良くしたいはずだし、ステイマーくんだってきっと。 「ネッセルローデくん遊ぼー!」  約束の時間にネッセルローデくんの家の前で声をかける。  大きい家で、お父様が偉い博士だって聞いてる。  二階の部屋の窓からネッセルローデくんが顔を出して手を振ってくれた。  すぐに降りてくる。  茶髪がふわふわと揺れてて、ステイマーくんと同じくらい女子に人気がある。  お姉ちゃんもネッセルローデくんは将来絶対かっこよくなるって言ってた。  ステイマーくんは人間じゃないなんて言っててすごく失礼だからその時だけ喧嘩した。 「どこ行く?」 「ステイマーくんのお家」  え?  そういうネッセルローデくんの手を強引に引いてわたしはステイマーくんの家の方に向かった。  静かなネッセルローデくんの家のある区域や森のそばのわたしの家と違って、ステイマーくんの家は高い建物のある騒がしい地域にある。  車がたくさん走って細長い高い建物に色んな家が入ってる。でも近くにお店や駅があるから便利だと思う。 「アディなんかと会いたくない。会わせる顔がない」  ネッセルローデくんはポケットから何かを出した。  手のひらを開けると、割れた石がある。 「アディが親父さんからもらった宝物を、俺が遊んでて割ってしまった。バレないように奪い取ったんだけど……壊したなんて言えない」
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