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「電話してみたら?」
携帯電話ならステイマーくんと話せるし、話した方が月曜日に謝りやすいんじゃないかと思った。
ネッセルローデくんも少しだけ考えて電話を出す。
わたしはステイマーくんの番号は知らないけど、いつか交換できたらいいな。
「アディからかかってきた!」
ネッセルローデくんの声が少しだけ緊張した。タイミングよくステイマーくんからかかってくるなんて。
音を出してわたしにも聞こえるようにしてくれる。
『もしもしカリス?』
ステイマーくんの声は全然怒ってなかった。安心する。きっとネッセルローデくんもそう。
「あの、アディ……」
『キャンプに今から来る? 今はバーベキューの買い出しで父さんと町に戻ってるから、来てくれたら迎えに行くよ』
ネッセルローデくんの表情が緩んだ。怒ってないなら謝りやすいよね。
「俺、お前の宝物を……」
『別にいいよ。欲しいならあげる。俺、カリスと喧嘩してる方が嫌だし』
「じゃあ、今から行くよ。アリーセちゃんを送ってから」
ステイマーくんの声が止まる。
「アディ?」
『フォルケルさんと遊んでるの? ああ、そうか。フォルケルさんのこと好きだったもんな。付き合えたの? 良かったな。遊ぶからキャンプに来れなかったのか。無理にこっちに来なくていいよ、じゃあ』
ステイマーくんは一方的に早口で言って電話が切れた。すぐにかけ直しても電源が入ってないのか圏外なのかもう繋がらなかった。
「……ステイマーくん、怒ってた気がする」
わたしがいたから。
わたしはもしかしてステイマーくんに嫌われてるのかな。
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