わたしは魔女で彼は人間

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「その子何歳なの? 年上? 三桁? 四桁?」  塾の開始前、席についたわたしは隣の席の友達といつものコイバナで盛り上がっていた。 「えっと……今日で10歳になったはず。わたしの方が1カ月年上かな」 「ええー。まだ二桁とか! そんな人と恋愛できる? あり得ないよアリーセ!!」  持っていた杖を振り回して大声で叫ぶ彼女に周りの席のみんなが注目した。  壁のドラゴンの見張りがにらんでくる。 「もうやめようよ。授業始まるよ」  わたしが止めると彼女は正面を向いて教科書を出した。終わったら朝まで話すように言われる。  でも塾が終わったらネッセルローデくんからステイマーくんのお話を聞かないと。  見る魔法が使えたらいいのに。 「授業を始めますよ」  姿の見えない先生が前に立って声をかけた。  わたしは慌てて教科書を机に出す。 「今日は自動筆記のやり方を学びます。これは霊魂とのコンタクトを取るための基礎ですが、日常生活にも役に立ちますよ。電話しながらメモが取ることができます」  魔術。  わたしはステイマーくん達とは違う。  アギーの憧れる魔女という種族に生まれた。  魔術は、人間がある程度学んで使うこともあるけど、本当はわたしたちの種族の術。  人間はわたしたちと同じ姿をしてるけれど、全く違うらしいことを学んだ。  命の長さも違うし、なんと言っても、いくら学んでも空が飛べないらしい。大人になって移動が不便みたい。  わたしやステイマーくんの年だったら変わらないみたいだけど、それでも自動筆記も出来ないし、リボンを出すこともできないって聞いた。  わたしはさっき出した青いリボンに触れた。
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