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塾が終わり、呼び止める友達にばいばいしてわたしは外に駆け出した。話してたいけどネッセルローデくんからの電話を待たないと。
外ではママが待ってくれてる。空飛ぶ箒で帰る子もいるけど、わたしの家は人間の町にあるから車。
人間の車だったら3日もかかるっていう道のりを20分で帰る。
人間って不便。
人間は魔女と同じ形に作られたから魔女より全部が劣るのよ。ってよく伯母さんが言ってる。でもステイマーくんは人間なのに全部わたしよりすごい。
「ママ!」
わたしは車の前で待ってくれてるママに抱きつく。
「今日はどうだった?」
「ステイマーくんのことがみんなにバレて……」
「あらあら」
ママは優しい顔でわたしにキスをしてくれる。
ママもパパもお姉ちゃんもステイマーくんのことを聞いてくれるのに伯母さんやイトコたちはステイマーくんのことをダメだって言う。
「今日はステイマーくんの誕生日なのに、プレゼント渡せなかった」
助手席でわたしが言うと、ママは指を宙で動かす。
すぐそこにまあるい箱が現れた。ふわふわと空みたいに色の変わる青い箱。
「中身は明日用意しましょう。この箱に入れて月曜にプレゼントしたらきっと喜んでくれるわ」
「ママ大好き!!」
ママは素敵な魔女。贈り物専用のお店をしてて、お姉ちゃんはそこでアルバイトしてる。
「その青いリボン、可愛いわよ。ステイマーくんが好きな色なのね」
ママはわたしのことなんでも知ってる。ステイマーくんのこともたくさん知ってる。
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