Out of Blue

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そんな俺の心の声を知ってか知らずか、嬉しそうに傘をくるくる回しながら隣のアイツは続ける。 「それにな、傘でみんな道行くすれ違う人の顔なんか見てへんし。 帽子とか伊達眼鏡で頑張って変装せんでええやん。 いつもと違ってそれもまたドキドキするわぁ。」 傘の縁からちらりと見遣って、照れくさそうに笑ってみせた。 うわぁ、なにこのコ!  汚れてる自分には眩しすぎて直視出来んやんか! テレビカメラ回ってなくてもめっちゃキラキラしとるわぁ。 …って、知ってたけどな! コイツがええヤツやなんて今更、メンバー1よぉわかってるわぁ。 もぅ、こーゆートコ、みんなに『可愛え』とか『守ってあげたい』とか言われる所以なんやろうな。 いざというとき素直になれない自分と正反対やわ…。 今も隣で、雨で濡れたコンバースの靴裏が歩くたび、タイル敷き詰めた歩道と鳴いて、イルカの歌みたいやなぁ・なんて呟いてる。 小柄で身軽な身体で、一歩ずつステップ踏むみたいに。 きゅ・きゅう・きゅっ・て。
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