初恋

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「じゃあ、まず何の曲でやるか決めようか!」 斉藤先生が言う。 私は内心凄く心配していた。 なぜかというと斉藤先生は別のクラスの副担任。 一応学年の先生ではあるものの、隣のクラスの出し物もダンスだし、さらにほとんどのクラスがダンスなのに、うちのクラスのダンスと劇を、わざわざ考えてくれるのだろうか、と。 しかし、そんな私の心配をよそに、話はサクサク進んでいく。 そしてあっという間にダンスの出だしを作った先生は、みんなに練習を促し、私の方にやってきた。 「なに、難しい顔してるの」 「・・・え?」 私は先生の発言に顔をしかめた。 「ほら、その顔。 責任感が強いのは良いことだけど、あんまり気負いすぎないようにね」 (な、なんでわかるの・・・。) 斉藤先生はニコニコしながら言った。 きっと、この時の私は引きつった笑みを浮かべていたことだろう。 そこで、私は思っていたことを全て先生に言うことにした。
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