1人が本棚に入れています
本棚に追加
「イチ!来たよ!風上!」
シンの声で、ハッと我に返る。同時に、強い風が髪を、服を、身体を叩きつけた。
薄目を開けて上空を見上げると、
「…人間…!?」
そこには、人間が飛んでいた。
正確には、一人乗り用の、小型の飛行機に乗って。
何人もの人間が、飛んでいた。
飛行機は綺麗に列になって飛んでいて、さながら本当に渡り鳥のようだ。
ぼんやりと見とれていたら、飛行機がゆっくりと下りてきた。
地面に下りた飛行機には、老若男女、様々な人が乗っていて、荷物を下ろしたり、身体をひねったりしている。俺たちの周りにいた人たちが、次々とその輪の中に入っていき、久しぶりだの、お疲れ様だの声を掛けている。
彼らは待ち合わせのよう…どころか、本当に待ち合わせだったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!