渡り鳥

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結局昨日は、飛行機で飛んで来た人たちが荷物を下ろしたり、テントを張ったりで、バタバタしてるうちに、帰る時間になった。 "渡り鳥"とはなんなのか。トワという女の子は何者なのか。なにも分からないままだ。 まあ学校に行ったらシンもいるし、適当に聞いたらいいか、と思っていた。 が、予想外に早く、その機会は来た。 「知ってる人も多いと思うけど、昨日この街に、"渡り鳥"が来ました!そこで、今日から3ヶ月間、みんなと一緒に過ごす、転入生を紹介します!っても、去年も来たし、顔見知りも多いよな!」 「渡り鳥のトワです。短い間ですが、よろしくお願いします。」 担任が紹介したのは、間違いない。昨日の女の子だ。 思いもよらない早々の再会に、多分俺の顔は、目を見開いた間抜け面だったことだろう。 「じゃあ席は、窓際の空いてるとこな!シンの隣!」 ちなみに俺の席は、窓際で、シンの斜め後ろにあたる。つまり彼女の席は… 俺の前の席かよ。まじかよ。 そうしているうちに、彼女はどんどん、こちらに向かってくる。「久しぶりー」「元気だったー?」といった、クラスメイトたちの声に、ニコニコ答えながら。 「シン、今年もよろしくね!」 「おう!今年もいっぱい遊ぼうな!」 シンと挨拶を交わし、席につこうとした彼女と、ふいに目が合った。 「昨日の…!イチくんだったよね?席近いんだ!」 「うん…前後だね。」 そのまんまじゃねぇか! 「ふふっ、そうだね。」 また、彼女の髪がふわふわって揺れた。
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