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こうして俺は、成り行きで、渡り鳥の女の子の家の前に立っている。
家と言っても、昨日建てたと思われる、ちょっと丈夫そうなテントだ。
ちょうど、時計塔の目の前にある森に沿うように、ずらっと並んでいる。
「すげぇ…これ、飛行機?どうやって動かすの?仕組みどうなってんの?この模様なに?文字みたいだけど…。もしかして手彫り?意外と軽いけど、昨日たくさん荷物積んでたよね?」
そして、テントの前に停めてあった飛行機に、夢中になった。
昨日はしっかり見なかったから気付かなかったが、鳥をそのまま象ったような形で、胴体部分に立って乗る仕組みになっているようだ。
だが、操縦用のハンドルらしきものはなく、立った時に持つ手すりと、荷物を積む大型の箱のようなものがついているだけ。
試しに持ち上げようとしたら、普通に持てた。
とてもじゃないが、人間の重さを乗せた上で、空を飛べるとは思えない。
更に、羽の部分には、模様のような、文字のようなものが彫られている。
手作業だとしたら、なかなかに大変そうだ。
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