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今度は少女だった。
私は諦め気味に聞いてみた。
「ここはどこ？」
「ここは部屋だよ」
「いつここに？」
「終わる時に」
「どうやって？」
「入るだけ」
「誰の部屋？」
「あなたの部屋」
「ここは何？」
「部屋」
「なんでここに？」
「来るべくして」
「私は誰？」
「…………」
彼女は最後の問いには答えなかった。
疑問は解決しない。
しかし、あと一歩の気がするのだ。
「私は誰？」
そう、この問いさえわかれば。
しかし、彼女は、
「…………」
答えない。
私は誰だ。
私はさっきの鏡を思い出した。
私を笑った私の姿。
痩せこけた身体。
ぼさぼさの髪。
入院患者のような服。
生気のない表情。
まるで銃を私に向けた男のような。
濁った瞳。
まるでチェスをした老人のような。
感情の無くなった心。
まるで目の前の少女のような。
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