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数分後、齋藤が止まった場所は、なんと風紀委員会室前だった。
僕が呆然としていると、齋藤がいきなりぐるりと後ろを向いた。
「…あ、レン。オツカレ様。こいつが例の被害者だ」
「『分かった。入っていいよ。中で人が寝てるから、なるだけ静かにね。』」
頑張って振り返って見ると、メモ帳片手に無表情な生徒が立っていた。
彼は、風紀委員会室の扉を開けると、入るように手振りで促してきた。
そこでやっと齋藤に降ろしてもらえ、ホッとしつつ部屋に入る。
ソファーに寝かされた人と山盛りの書類を見た僕は、更に混乱した。
「誰だあいつ?しかもどうしたこの書類」
眉をひそめながら齋藤が問う。
「『彼は生徒会会計。さっき保護したんだ。書類は生徒会の連中が働かなくて、彼が一人でやってたやつ。』」
一人で…?
会計。チャラ男だと思って馬鹿にしてごめんなさい。
「『俺は風紀委員長の三國漣。で、君は?』」
「『は、はい!相澤拓です』」
いきなりでどもっちゃった…。
…はずい。
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