戦う旅商人～英雄を殺めし者～3章

追憶

―６年前―

燃え盛る屋敷の中で２人の人物が幾度となく互いの武器を交え闘っていた。

ｶﾞｷﾝ

「貴様はこの腐った国を変える為に騎士になったのではないのか!!」

両手剣を持つ男はそう言って敵対している二刀流の少年に斬りかかった。

「そうさ。俺はこの腐った国を変えるべく騎士になった！」

二刀流の少年は横に避けて右手に持つ白い刀で斬りかかるも防がれる。

ﾌﾞｫﾝ…ｷﾝ

「ならば何故我らの邪魔をする！愚行をする国の上層部は粛正せねばならんのだ!!」

ｷｰﾝ…ﾄﾞｺﾞｵｰﾝ

「ッ!?･･･グハァ…」

ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

「グフッ、ぺっ…だからって部下を殺すのはおかしいだろ！」

壁に打ちつけられた少年はボロボロだった姿が更にボロボロになり、深手を負い吐血しながらも立ち上がって男の言い分に反論した。