追憶

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「…計画を実行するのに必要な犠牲だ」 男は沈痛な面持ちでそう答えた。 「アンタの言い分も多少は分かるが今回はやり過ぎだぜ。道を踏み外さなければ同じ未来を歩む事が出来たかもな、俺たちは」 そう言って少年は刀の切っ先を男に向けた。 「…そうかもしれないな。だがもう止められんのだ!うおおぉぉぉぉぉお!!」 男は両手剣を大きく振りかぶり少年に斬りかかった。 「…アンタの計画もここまでだ。俺が終わらせてやる!!刻影縛、光牢束」 少年は刀で男の武器を凪払い、光、闇の束縛系の最上級魔法を使って男を拘束した。 「クッ!?離せぇぇぇぇぇえ!!」 男は必死にもがくがそう簡単に拘束は解けない。その間に少年は禁忌魔法の詠唱を唱えていた。 「―――破滅と絶望を呼ぶ神術書を求め 幻想たる虚無の地を目指し天地を歩む 我求めるは殲滅の刻、静寂の鐘、深淵の狭間 願いを叶え世界に終止符を打て―――これで終わりだ『終焉死葬』」 少年がそう唱えた瞬間、少年と男を包み込むほどの淡い紅色の光を放つ巨大な魔法陣が上下左右に展開した。 「おのれぇぇぇぇえ!!殲滅の白夜ぁぁぁぁぁあ!!!!!」 「俺と共に地獄に堕ちろぉぉぉお!!深影の剣刃ぁぁぁぁぁあ!!!!!」 両者の雄叫びが屋敷内にこだまし、2人は魔法陣の光に飲まれて屋敷もろとも爆発し全ては終局を迎えた。
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