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「………ん…」
暖かい…、寒く…ない…?
疑問を抱えつつ少し気だるい身体を起こし、自分が今まで布団で寝ていたことを確認する。
ここ、どこなんだろう?
見た目は純和風の部屋だし、日本家屋なのかな……
なんて思考を回していると襖が開き女の人が部屋に入ってきた。
「ああ!びっくりしたわ。おきてはったんやね」
始めは驚いていたものの、起きたことに安心したのか安堵の声を漏らす。
……なんで着物?由緒正しいお屋敷なのかな?
でも髪型も変だし、あれ??
「どうかしはりました?気分でも悪いんじゃ!?」
「いえ、そんなんじゃ…」
ずいっと身を乗り出した女の人から少し距離をとる。結果的に布団から出た私をみて、病人は布団からでたらあきまへんっと一喝され上半身だけ起こす。
出したのは貴女なのではと思ったが、それは心にしまっておくとしよう。
彼女の名はお夕さん。話を聞く限り、どうも私は川で溺れていたらしい。たまたま道を旦那さん(つまり私を川から助け出して下さった命の恩人)佐吉さんと散歩をしていたときに見つけたのだ。
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