レッスンツー

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クルリと踵を返して私はそのまま立ち去ろうとした。 それなのに…… 「ちょっと!離してよ」 私の右手首はさとしにグッと掴まれて、離そうとしても離れない。 「ちょっ……いった!」 逃げようとする私を、逃がすまいとするさとしの力が強くなって、思わずそう叫んでた。 「あ……わりぃ」 あっさりとその手は離されて、思わず仰け反りそうになる。 それを慌てて引き寄せられて、今度はさとしの腕の中にいた。 「……っぶね お前、どんだけ力一杯拒否してんだよ!」 子供だった幼馴染みの、子供とはいえない広くて固い胸に私は動揺する。 ――恥ずかしい。 ただ、それだけしかなかった。 だから両手で胸を突っぱねて、急いでさとしから離れる。 このドキドキは免疫がないからであって、決してこいつにドキドキしてるわけじゃないんだと、自分に言い聞かせて。 「そ……そりゃ、拒否するでしょうよ! 少しでも可愛くしたくて髪を切りに行こうと思ったのに、なんでその辺のやつに切ってらわなきゃなんないの? だったら自分で切るっつーの!」
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