それは始まりの音

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この話をするのは第二の私のような犠牲者を出さないため そして私自身があの出来事を忘れないため それはちょうど日が照っており、外は少し蒸し暑いぐらいの夏の日だった 私は身支度を終え、階段を降り、リビングに足を踏み入れるところだった 私はまだ高校三年生 今年で卒業なのだが、正直余り実感が湧いていない それだけ早い月日がたったと言うことだろう リビングでは高らかな笑い声が聞こえる 香音「お父さん・・・・クスッ・・・・笑いすぎ」 そう言いながら私はリビングに通じる扉を開ける 部屋の中では、お父さんの笑い声に近いぐらい元気な笑い声を出すお笑い芸人を映すテレビとそれを見て笑うお父さんとお母さん・・・の写真がある
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