御札の文字

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巫女人形は両手で抱え込むようにして御札をもっていた 私はもしやと思い、その人形に恐る恐る触れ、御札をとる 御札には今まで読めなかったはずの文字ではなく、一行の日本語でかかれていた かかれていた文字は『神社においで、香音ちゃん』 私はぬいぐるみをもう一度見て、少し驚く いつのまにかぬいぐるみは格好が変わっていた 香音「あれ?・・・・・巫女は・・・・・」 そこにいたのは私服のワンピースを着ており、にこやかに私を見る人形しかいなかった そして、まるで射抜くような視線は生命があるような感じがした 御札にかかれていた通り、今一度あの神社に行ってみようとおもった私は次の日何気無くワンピースに着替え、外に出た 私はその時の服装が、御札を手放した後の巫女人形の代わりにいたあのワンピースの人形と同じだったのに気がつかなかった そして部屋の中にいるワンピースの人形が泣いているかのように涙を流していたことも・・・・
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