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――キミ、悲しいね。
そんなこと……!!
――ふ~ん? 本当に?
ムキになった少女に、彼は挑発的に顔を近づけた。
……っ。
その目からふいっと視線を逸らす。
『…ねぇ。紗代ちゃん、また一人で居…』
『し…っ。聞こえるよ。…ふふっ』
『紗代ちゃん、ここってこれで良いの?』
――え? あ、うん。
『そっか。ありがと』
タタタっ。
『…あ、ねえねえ皆~…!! この後そこに出来たばかりの…』
――…………。
――キミは、毎日一人ぼっち。それで楽しいの?
一人、ぼっち……。……楽しいはず、ないじゃない…。
唇を噛み締めて俯くと、目の前に浮く影はチリンという小気味良い音を響かせるモノを放り投げて寄越した。
――本当に、変わりたいと思うのなら。それを鳴らしなよ。
…鈴……。
――それは、キミを手助けしてくれる大切なモノだよ。
……私。変わりたい。…変わらなきゃ。
もう、一人ぼっちは嫌だ。口下手で奥手な私の居場所なんてここにはない。
――さぁ。どうするの…?
…………。
……――――ちりん。
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