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霊夢
「……え」
慧音
「…………」
妹紅
「…………」
霊夢
「待って!いったいどういう……ぐっ!?」
勢いよく上半身を起こし傷を抑える霊夢。慧音が背中に手を回そうとするが、それを払いのける。
妹紅
「言った通りよ。あいつは死んだの。見ず知らずの母子を助けるためにね」
霊夢
「……なん…で…っ!そんな……!」
霊夢は体を震えさせながら呻くように呟いていた。
妹紅
「ごめん……私がもう少し早く来てたら助かったかもしれないのに……」
霊夢
「…………」
そこで妹紅は話をやめ、気まずい沈黙が流れる。
霊夢
「……たら……」
慧音
「……?」
霊夢
「私が……もっと強かったら……妖怪なんかこの世界にいなかったら……っ!」
霊夢は布団を強く握りしめながら何度も何度も呪文のようにこう呟いた。
慧音
「霊夢……」
霊夢
「……出ていけ」
慧音
「……え?」
霊夢
「出ていけ妖怪がっ!」
慧音
「……!」
妹紅
「霊夢!慧音はなぁっ……!」
慧音
「やめろ妹紅」
慧音は妹紅の前に手を出し、彼女を制止する。そして傷を庇うようにして立ち上がった。
慧音
「今日は帰ろう。……邪魔したな」
妹紅
「…………」
そう言って慧音は神社を去っていった。妹紅もそのあとに続く。
霊夢
「…………うっ……ゔゔっ……!」
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