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霊夢は紫の足をがしりと掴んで支離滅裂なことを話し続けた。自分の頭の中のことをすべて吐き出していくように。その中でもしっかりと理解できる言葉があった。
こんな世界いらない。すべてをやり直す。
紫
「れ、霊夢、落ち着きなさい。何が言いたいのか私にはさっぱり……」
霊夢
「こんな幻想私は望んでいない。あんたの力を使ってすべてをやり直す」
その瞬間、またもや景色がぐるぐると回り始める。次に映ったのはとても異様な光景。紫と藍と神奈子が一人の人間の体を囲んで不思議な陣を描いていた。
Z
「……こうして」
Zがゆっくりと口を開き、静かに話し始めた。
Z
「紫さん達によって創られたのが私。霊夢さんの欲望を叶える為だけに生まれたんです」
私はただ茫然と目の前の光景に目を奪われていた。
……そんな……私が……?そもそも紫がこんなことをさせるわけ……。
Z
「紫さんはもちろん始めはこれに反対しました。でも力ではあの時の霊夢さんに敵わないことを悟ったのでしょうね。それに……」
Zは紫にちらりと目をやる。紫はひたすらに呪文を唱え、人間の体に何かを施していた。
Z
「紫さんは幻想郷を、霊夢さんを愛していた。家族である藍さんや橙さんより、親友である幽々子さんよりも、あなたを選んだんですよ、霊夢さん」
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