189人が本棚に入れています
本棚に追加
紫
「幽々子もレミリアもそう。こんなことしてはならないと判っているのに止めようとはしない。……みんな一緒なのよ」
神奈子
「…………」
それきり彼女らは話さず、再び沈黙の空間に戻った。
──────
────
──
それからまた数日が経ち、今度は紫が唐突に神奈子に話しかけた。
紫
「……神奈子」
神奈子
「なによ」
紫
「貴方はもういいわ。あとは私と藍だけでやる」
神奈子
「急に何を言い出す。ここまで来たんだ、最後まで付き合うわよ」
紫
「……いいから後は私達に任せて。最後に神同士二人で酒でも呑んで来たら?」
神奈子
「……あんたがそこまで言うなら帰るよ。でも二人で酒は呑まない」
紫
「……」
神奈子
「神は三人いるからな」
紫
「……そうね」
神奈子は腰を上げ、部屋から出ていった。余程疲労しているのか、足がぷるぷると震えていた。
紫
「……行ったかしら」
藍
「はい、気配は消えました」
紫
「……じゃあ、始めましょう」
紫がそう言うと、彼女の周りの空間がぐにゃりと歪んだように見えた。彼女の強力な力が漏れ出しているかのようだ。
最初のコメントを投稿しよう!