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時空間?何言ってんだコイツ。そろそろイラついてきた。こうなったら
Z
「霊夢さん、あなた強くなりたくないですかぁ?」
霊夢
「…………?」
突然の質問に呆気にとられ、思わず口をつぐんでしまう。
Z
「それも"最強"にね」
Zと名乗る男はクスクスと口元を押さえて笑い始める。
私はゆっくりと御札へと手を伸ばし、構える。
コイツ、妖怪か?
Z
「私は何にも危害を加えるつもりはありませんよ。それより質問に答えてください」
Zは両手をあげ、無抵抗のポーズをとり、おどけてみせた。
質問。
"最強"に、なりたいか。
霊夢
「………そりゃあ強くはなりたいわよ。そうすれば妖怪退治も楽になるし、人間の被害も減るし……。でも最強だなんて……」
Z
「駄目です、霊夢さん。あなたに拒否権は無い」
そう言うとZの様子が一変した。今までのへらへらとした表情は消え、真面目な、むしろ冷たいような表情になった。
霊夢
「くっ、アンタやっぱり………あ…!?」
頭がぐらぐらする。立っていられない。
そのまま膝から崩れ落ちて、うつ伏せに倒れた。
するとZはゆっくりと顔を近付けて、囁いた。
Z
「大丈夫ですよ。あなたは強くなるだけです。………永遠にね」
消えかけていく意識の中、かすかに見えたZの顔は、何故か悲しそうだった。
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