撥ねたおっさんと超能力

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……やってしまった。 皆勤賞を狙う身としては、この時間の起床は致命的だ。 朝8時17分。 学校は8時半からで、家から学校まではどんなに必死でチャリを漕いでも10分はかかる。 「クソッ、終わりだ……何もかも……」 しかも一人暮らしだから、起こしてくれる人はいない。 別に親と死別したとかじゃない。両親はある日、俺の口座に1000万を振り込んでどこかに消えた。 多分どこかで生きてるだろう。 あぁ、それにしても何故鳴らない目覚まし! 張り倒すぞ!! もう間に合わないとは思うけど。 急いで制服に着替え、バナナを口に押し込み、鏡を覗きながら寝癖を直す。 よし、寝癖も治まったし、おかしな所はないな。 「……行くか」 そして俺は鞄を持ち、靴を引っ掛けて急いで外に出た。
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