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「なんだよ…これ…」
思わず呟いた。
頭の中で、メールの文章を理解することができていなかった。
不要物? 処分? 人権が無効?
あまりも現実離れしていた。そして、あまりにも突然の出来事だった。
淡い希望を抱きながら皮膚に爪を立てたが、脳が感知した痛みはそれが非情な現実だということを告げていた。
平和な現実が、音を立てて崩れていくのを感じた。
同じ文面のメールが届いたのか、ネット上も俄に騒がしくなる。
だが、久遠にはそれをゆっくり眺めている余裕などなかった。
そこに書かれていることが事実ならば、久遠の捜索は本当に行われているのだろう。
慌てて荷物をまとめ、外へ出ようとしたとき、教室の方向から突然悲鳴が響いた。
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