14人が本棚に入れています
本棚に追加
いつものメンバーも参加し、スレッドが賑やかになった頃を見計らって携帯を置く。
だらだらと布団の中から這い出し、欠伸をかみ殺しながらカーテンを開ける。
途端に、爽やかな初夏の日差しが部屋に満ちる。
眩しい光に目を細め、伸びをした。
クローゼットに収められていた制服に着替え、鞄の中身をチェックする。
高校に入学して1ヶ月経った今でも、尚制服姿には慣れることができないのは、憧れの高校に入学できたことで気分が高揚しているせいに違いない。
ふと携帯に目を落とすと、そこでは他愛のない討論が続いていた。
適当な返事を入力し、電源は点けたままでポケットの中にしまう。
「久遠~! ご飯食べて早く学校行きなさいよ~!」
部屋の外から母親の声が響いた。
少年――久遠はスレッドと同じように適当な返事をし、リビングへ向かう。
重い鞄を肩にかけて持ち上げ、換気の為窓を開けた。
今日もいつもと変わらない1日が始まると、久遠はそう確信していた。
最初のコメントを投稿しよう!