出会い

3/6

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「俺、ここに引っ越してきたばかりで道に迷ったんだ。だから大通りまでの道を教えてくれよ」  「方向音痴なんだ~。しょうがないなぁ、案内してあげるよ」  そう言って私が草を払いながら立ち上がると彼も立ち上がった。  「じゃ、行こっか」  歩きだしたところで私はとある疑問に思い当たった。  「そういえば、名前は何て言うの?」  「こういうときは聞いてきた方が先に言うもんじゃないか?」  「どうしようかな~。案内するの止めようかなぁ~」  私がそう言って立ち止まると、  「わ、悪かったって。俺の名前は坂井雄飛だ」  私が満足気に頷いて歩き出すと彼は追いかけてきて言った。 「そういうお前は何て名前なんだよ?」  「…お前?」  「……。そういうあなたは何と言う名前なのですか?」  クスッ。  ヤバ。笑いそう…。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加