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「私は朱音夏帆。よろしくぅ~」
そこまで言って私はとうとう笑いが抑えきれなくなった。
「アハハハ!さっきのあんたの変わりよう、何よアレ!傑作だわ!
『そういうあなたは何と言う名前なのですか?』
だって!もう笑えてきちゃうわ!顔に似合わず残念ね」
プツン。
何かが切れる音がした。
「黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって…!しょうがないだろ!俺は女子と喋ったことがほとんどないんだから!」
「え~、なんで?ねぇ、なんで?」
「うるさい!黙れ?」
彼との会話は本当に楽しくて、いつの間にか大通りに出てしまっていた。
「また会うことがあったら話してやるよ。じゃあな」
そう言って彼は私の返事も聞かずに人混みに飲まれていった。
面白い人だったな…。
坂井雄飛か。覚えとこう。
それから私は家に帰りベッドにダイブした。
そこで私の意識はプッツリ切れた。
今思えばこれが彼との出会いだった。
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