出会い

4/6

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「私は朱音夏帆。よろしくぅ~」  そこまで言って私はとうとう笑いが抑えきれなくなった。  「アハハハ!さっきのあんたの変わりよう、何よアレ!傑作だわ! 『そういうあなたは何と言う名前なのですか?』 だって!もう笑えてきちゃうわ!顔に似合わず残念ね」  プツン。  何かが切れる音がした。  「黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって…!しょうがないだろ!俺は女子と喋ったことがほとんどないんだから!」  「え~、なんで?ねぇ、なんで?」  「うるさい!黙れ?」  彼との会話は本当に楽しくて、いつの間にか大通りに出てしまっていた。  「また会うことがあったら話してやるよ。じゃあな」  そう言って彼は私の返事も聞かずに人混みに飲まれていった。  面白い人だったな…。  坂井雄飛か。覚えとこう。    それから私は家に帰りベッドにダイブした。  そこで私の意識はプッツリ切れた。    今思えばこれが彼との出会いだった。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加