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さてかなり強引だが話を戻そう。物語はツッチーのヤツが東京都板橋区板橋にてあちゃこちゃの不動産屋さんに顔を出し、安い物件はないかと尋ねるも悉く「ない!そんな月、三万位で借りられる部屋なんかない!」と言われる、、と。ここまできていた筈だ。
もう不動産屋7件は回ったか、、ツッチーは歩き疲れてしかも思うように部屋が見つからないので表情が大変暗い。もう暗すぎる。
ここに書くまでもなく時間は容赦なく過ぎる。日が傾きかけ、そろそろツッチー板橋駅に戻ろうとして大通りから近道になりそうな狭い路地に足を踏み入れた。そこまではいいのだが、ぶっちゃけヤツは迷い子になっていた。俯き加減で小豆色のパーカーのポケットに手を突っ込みトボトボ歩いている。心の中では、くそっくそう部屋が見つからないそして私は迷い子!これじゃ、泣きっ面に蜂よ!なんて悪態をついていた。
ふとツッチーのヤツが足元に目を向けると約三センチ角石ころが落ちていた。それを見たツッチーは今の気持ちをスッキリさせるべくリーボックのハイカットスニーカーで蹴飛ばした。勿論、利き足の右足でガン!と。石ころが転がった先を見ると、ある店舗?の前で石はおとなしくなった。ツッチー店舗に掲げられた一枚の古めかしい看板が目に入る。なんだこれは、、?汚らしいガラス戸に掛かっているその看板には青色の文字でこんな言葉が。
「訳あり物件取扱所」
ちょっとおかしくない?
??普通、看板出すなら??不動産とかエイブ?ネットワークとかミニミ?とか大?建宅とかそんな名前にしますよね?え?え?
ツッチーにはワケがそんな名前の理由が解らなかった。
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