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遠い記憶
夢を…見る。
空が蒼い。
晴れた日に見える薄蒼の綺麗な空なんかじゃない、
何か邪悪なものを秘めたような深く濃い蒼色。
まるで深海に閉じ込められたかのような世界が広がっている。
その中で赤く光る塊がぽつりと在った。
それはゆらりと揺れて、何かを包み込むように動いていた。
「………!」
出そうとしても声は出ない。
手を伸ばしても届かない。
視線の先に立っていたのは、
・・
人のカタチを為した鬼だった…。
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