1人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
鬱蒼と木々が繁る、山の上の洋館に車で到着したのは、深夜も1時を過ぎたあたりだった…。
「ふぅ…、遅くなっちまったな…。」
誰にともなく呟いた、真夜中にもかかわらずサングラスをかけてはいるが、運転席に見える横顔は男のようだ。
トレンチコートの胸ポケットから煙草を出し、一本くわえる…。
そして何度か自分の体を確かめた後、こう呟いた…
「おぉ、神よ…何ゆえこんな試練を不肖な私めにお与えになるのか…」
天を仰ぎ、そして男は言う。
「ライターが見つからねぇ…。」
最初のコメントを投稿しよう!