第1章

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言葉遊び.1-4 ◆た たくさんのローマの兵士がまわりにいた。 兵士達はひそひそ声で話し合っていた。 「パウロも大変な教えを説いたものだ。キリストはマグダラのマリアと結婚していて、マリアは元売春婦だと言うのだから」 「おまけに最後の晩餐には、マリアもそばにいたと言うのだから」 ◇ち 「ちょっと!みんなが噂してるのは本当なの?現代じゃ、その話で持ちきりなのよ」 私はパウロに聞いてみた。 ◆つ 強い風と雨が降って来た。 「嵐になるかも知れんな」 パウロは女に言った。 「もし、それが真実だったとしたらどうする?キリストが杭につけられた時、母マリアとマグダラのマリアがそばにいた。何故だろうね?」 ◇て 鉄の鎖がパウロの身体に食い込んでいる。 「何故って自分の夫が杭に打ち付けられたりしたら傍に居るのは当然じゃない?」 ◆と とうとう嵐になった。 アテネの港まではまだかなり距離があった。 兵士達は少しでも船を軽くしようと、積み荷を次々と海中へ投げ落とした。 「もうすぐ囚人達の鎖が外されるはずだ。そしたらわしと一緒に逃げてくれ」 パウロは女にささやいた。
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