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「宅急便の筈だと思ったんだけど?」
何でもないフリをして皮肉を籠める。
「うん。ソレ俺」
ニッコリと微笑んで返してくる隼人。
「そう。…じゃ、サヨナラ」
冷たい素振りでドアを閉めようとする。
「ちょっとヒナさん、そこまで再現しなくても良いでしょ?」
ドアを押さえて突っ込みを入れる隼人に、思わず吹き出した。
「宅急便のフリをするからよ」
笑いながらドアを開けると、ニコッと悪戯な笑みの隼人と目が合う。
「ヒナさん、油断した?」
慣れたように部屋へと上がっていく。
「するわけ無いじゃない」
「じゃ、その手のボールペンは何かな?」
意地悪な顔で私の手の中にあるソレを指差してきた。
「あーはいはい、完全に油断してましたよ。私の負け」
参りましたと両手をわざとらしく上げてみた。
「やったね、俺の勝ち♪」
楽しそうに笑う隼人。
それにつられて私も頬が緩む。
あぁ…何だか久しぶりだな…
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