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人はまれに、月を見て変化してしまう者がいる。
基本的には動物の姿に。
だからと言ってココロまで、獣のソレになることはない。
月さえ見なければ、彼らは普通の人なのだ。
けれど。
人のココロとは残虐なもの。
自分たちとは違う力に怯え、恐れ、やがて彼らが同じ人であることを忘れていった。
やがて時がたち、人々は彼らを“保護”しだす。
鉄格子の中、見世物小屋に研究所。
果たして彼らは、幸せなのだろうか?
ほら、また1人逃げ出した。
月明かりに照らされた“狼”の毛並は、白銀色に輝いていた。
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