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もうすぐ深夜のコンクリートジャングル。
空き地から響く音。
喧嘩の喧騒、悲鳴と叫びと呻き声。
ようよう見てみれば、地面には５つの人影が寝転がっていた。
それを見下ろすのは、短い髪を風に靡かせまっすぐに立つ一人の少女――少女というには、あまりにもその姿が男らしいけれど。
「なんだ、５人がかりでその程度かよ」
吐き捨てるように言葉を紡ぎ、返り血で赤く染まった拳を拭う。
血はとれにくいんだ、ぼやいた言葉は風にのって消えた。
そんな彼女を見、倒れていた一人が立ち上がろうともがくが、それは叶わない。
気付いた少女がの腹部を蹴り飛ばし、そのまま地面を転がした。
腹部に走る鈍痛。彼は倒れたまま咽こみうめくだけ。
すっかり戦意を喪失したらしい彼らを見やり、少女は深いため息をついた。
憐れんだような、蔑むような。
そんな視線に気付いてか、男たちは悔しそうな表情で彼女を睨む。
けれど、どこか彼らを面倒そうに見やる彼女に口を閉じるしかできなかった。
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