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「俺は無実だぁああああ!!無実なんだぁああああ!!!!」
俺は両手で鉄格子をつかんでガシャガシャと音を鳴らす。
「るっさいわね。なにやってるのあんた」
「いや、一度牢屋にいれられたらやってみたかったことなんだよ」
見張りからも「うるせえぞ!!」と怒鳴られたので、俺は鉄格子から離れた。
「にしても、俺は本当になにもやってねえんだよな」
「ウソ言わないの」
「いや、本当だって」
「はいはい」
女の子はそこまで言うと、ごろりと地面に寝転んだ。
「なんでそうダルそうなんだ?」
「疲れてるからよ」
女の子は背中をむけながら片手を力なくあげてプラプラと手をふる。
「…ふ~ん」
俺も、女の子とは反対の隅っこに毛布も持っていって寝ることにした。
こういうときは体力温存をしておかなくてはならない。
きっと、チャンスはおとずれるだろう…
俺はチャンスをまちながら、この不思議な身体になった原因を考えている内に寝た。
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