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誰もいない真っ暗な店にようやく辿り着き、取り出した鍵でドア開けた。
「ふーぅ。重かったぁ。やっぱり、買い物は一旦帰ってからするんだったなぁ・・・。」
カウンター周りの電気だけ付け、荷物を下ろし、ホールのショートケーキが入った箱を手に奥のキッチンに向かった。
爺ちゃんへ。ケーキ作ったから、まささん達が来たら、一緒にどうぞ。
くれぐれも他のお客さんの前で食べちゃだめだからね・・・。
「・・・これで、良しと。」
ケーキを業務用の大きな冷蔵庫の一番上にしまい、扉にメモを貼って、キッチンを後にする。
・・・コンコン・・・コンコンコン・・・
入り口のドアをノックする音が聞こえる。
もうすぐ23時。
ここはカフェで、お酒も提供していないから閉店時間は早い。
もともと、引退した爺ちゃんが道楽で始めた店だから、時間はまちまちだけど、大体21時には閉めている。
さっき付けたカウンター周りの照明を除き、客席の照明は全て落とされている。
そのため、外から明かりは見えるものの、営業中ではないことは明らかだ。
「・・・誰だ?」
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