『アイツ』は気まぐれ

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吹雪の中に三つの人影が佇んでいた。 一番小さな人影が雪の大地に一本の長刀を突き刺し、手の甲を差し出した。 もう一人がその上に手を重ねた。 もう一人も同じように重ねた。 三人は誓いをたてあい、この場を去った。 彼等が去った後には吹雪に晒される一本の長刀だけが残されていた…。 「何この厨二乙」 「どうしましたの?」 「うんにゃ、なんでも」 小さな呟きだったが、隣に座っていた人には聞こえていたようだ。…ちょっと恥ずかしい。まあ小さな馬車の中だし、聞こえてしまってもしゃーなしか。 …あの時は真面目にやってたんだけどなぁ…これも若気の至りってヤツ何だろうな。あるいは厨二病。 「…はぁ……。『ハジメ』。物思いにふけるのは構いませんけれど、突然声を上げるのはやめてくださいな。私(わたくし)の従者の貴方がそんなぼんやりしてどうするのです。」 「はいはいわかりましたよ、『リザ』様。」 そう返事を返すと、隣の女性…いや、エルフの女性『リザ』は面食らった様な顔になり、次の瞬間顔を真っ赤にしながら反論してきた。
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