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そして時は流れる。
それは水が流れるかのように止まることなくゆるりゆるりと……
二年後、ユートリクスは大きく様変わりしていた。
領主ユート=トキザミが現在不在のため、領主代理としてコザ=ズタタクヤが新たに発表した政策により税率が上がり、さらに娼館なども建設されたのだ。
噂では奴隷売買なども密かに行われているらしい。
ワイワイガヤガヤと騒がしい夜のユートリクスをフードを深く被った人物が歩いていた。
「随分とここも様変わりしたものだ……」
と、フードの人物が見るからにチャラそうな男の肩にぶつかる。
「ってー!マジいってー!っわコレマジ骨イったわー!」
「……あ?」
「ッオイ薄汚いテメーどーしてくれんだアァン?
慰謝料はらっくぺ!?」
「……不愉快な。」
顎を外されたチャラそうな男を一瞥することもなくフードの人物はゆっくりと人ごみの中へ消えて行った。
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