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明らかに私だけ薄汚れ、列から弾き出されているというのに、男性教諭は一瞥もせずに話を続ける。
曰く、使い魔は召喚者の魔力やに応じた存在が現れる。
曰く、使い魔の中には特殊な条件を出してくるものがいる。
曰く、初級魔法以下の魔力しか消費しないので、『落ちこぼれ』でも召喚は可能。
………最後のは多分私に向けられたもの……。
そうして使い魔召喚が始まった。
可愛い使い魔がいいな……でも、きっとその子まで苛められる。
「じゃあ……使い魔なんて……」
イラナイ。
でも、願い虚しく私の番が来た。
「次、フィラデルフィア=アーヴァーン!!!」
「…………はい。」
私は立ち上がり、周りの嘲笑を受けながらも魔法陣の前に向かった。
そして、マーレノス式使い魔召喚の詠唱を開始する。
「……我、汝と共に頂点を目指し駆ける者也。」
叶わぬ願いだけど……私を守ってくれる、そんな、強い、使い魔が……来ないかな。
そして魔法陣が眩い輝きを放つ。
光収まれば……
「俺、参上!!」
仮面をつけた男の人がポーズを決めながら現れた。
「………………へ?」
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