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『ちょっ…ちょっと!それだけですか?』
父親が思わず大きな声を出してしまう。
『あー部屋に行って片付けでもしてくださいな。そのうち担当の生徒がいろいろ教えに行くんで。あ。これ寮内地図ですからー』
窓口の窓を開け、窓口横にはってある地図を指差してからまた閉めてしまった。
『…え…?』
『…ちょっと不安になってきたな…』
父親が苦笑いをしながら言った。
そして手にしていたバッグを頼に渡す。
『じゃあ、あいつがいるからもう行くけど何かあったら連絡しろよ?』
『うん。わかった』
頼は笑顔で父親を送り出す。
そして荷物を抱えながら部屋へ向かった。
『…ここかな…?』
鍵カードに書かれた数字と部屋の扉に書かれた番号が同じだ。
カードを差し込みドアを開ける。
開けたら靴があった。
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