入学

4/16
前へ
/16ページ
次へ
『ちょっ…ちょっと!それだけですか?』 父親が思わず大きな声を出してしまう。 『あー部屋に行って片付けでもしてくださいな。そのうち担当の生徒がいろいろ教えに行くんで。あ。これ寮内地図ですからー』 窓口の窓を開け、窓口横にはってある地図を指差してからまた閉めてしまった。 『…え…?』 『…ちょっと不安になってきたな…』 父親が苦笑いをしながら言った。 そして手にしていたバッグを頼に渡す。 『じゃあ、あいつがいるからもう行くけど何かあったら連絡しろよ?』 『うん。わかった』 頼は笑顔で父親を送り出す。 そして荷物を抱えながら部屋へ向かった。 『…ここかな…?』 鍵カードに書かれた数字と部屋の扉に書かれた番号が同じだ。 カードを差し込みドアを開ける。 開けたら靴があった。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加