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鼠は鋭い爪が付いた腕を俺めがけ降り下ろしてくる。
俺はそれを反射的に構えていた剣で受けとめ、弾き返す。
そしてカウンターで大きなドテっ腹に斬りかかる。
すると鼠は力なく膝をつき倒れこんだ。
「……ぇ、すげぇ」
俺が何よりも驚いたのは先程の俺がおこしたアクション。
平凡な俺が、特別な力も何も持っていない俺があそこまで戦えたのが不思議でたまらなかったのだ。
「言ったでしょ?健くん。勝てるって」
「あ、あぁ…どうなってんだ?これ」
「説明より実戦が先になっちゃいましたねぇ…まぁいいや、説明は城についてからです!!ささっ、いそぎましょう!!」
「お、おぉ…」
あの鼠を倒して俺は引き続き王の城へ向かった。
先程の事もはやく説明してほしいし…
足取りは自然に早くなっていた。
そして数十分、歩き続けていると周りの景色がガラッと変わり自然が広がっていた風景から人工物の建物が立ち並ぶいわゆる街へとやって来た。
「健くん、あの街の中心に見える大きな城が…」
「王がいる城……」
大きな街の中心、そこに他の建物よりも比べ物にならない城がそびえ立っていた。
あそこが目的地の王の城か…
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