第一章 異世界とかマジありえねぇ

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「……あ、うん。夢だよね」 どうも、おはようございます。 お分かりの通りさっきまでの出来事は全て夢。 まぁ実際にあんなのが現実にあったらたまったもんじゃないもんな。 お察しの通り俺はああいう現実離れしたような事が大好きな高校生だ。 いい歳して、大人になれよ。などの事はなんども言われ続けてきたがこればかりは仕方がない。 そもそも、俺がその設定を好きになったきっかけは本当に単純。 幼い頃に五人がかりで悪役をボコボコにし、さらにその後に巨大ロボでさらにフルボッコ。バイクに乗って剣や銃を駆使し素手の敵をボコボコにしてとどめにえげつない威力のキック。大きな怪獣が暴れていたらそれに負け衰えない程のド派手な登場で町を破壊する三分限定の巨体ヒーロー等々。そう俺は小さな頃からヒーローに憧れていた。 彼等の様になりたい。などの妄想を抱き色んな想像を繰り返しているといつの間にかこんなんになってしまった。 そしてあんな夢を見る程爆睡した結果、現在午前8時ジャスト。 あかん、遅刻してまう… ここ、自宅から片道徒歩で30分かかる。 虚しいことに俺は今自転車という素晴らしい人類の発明品を今持ち合わせていない。なぜなら昨日朝起きるとタイヤに釘を刺されており現在パンク中。 「やっべぇ…間に合わね」 俺は急いで部屋着を脱ぎ捨て学校指定の制服に着替える。俺は別にいわゆる中二病設定が好きなだけであって服装や行動や口調等はいたって普通なのである。 そしてある程度の支度を終え部屋を出てこの時間まで起こしてくれなかった一階に居るであろう我が母に文句を言うべく鞄を持ち階段を降りる。 一階に着き、リビングの扉を開け母親に文句を言おうと部屋を見渡すと… 「あれ?……いない」 どういう訳か母さんがいない。 こんな時間になんでだろう… まぁいいや、それより学校に遅れちまう。
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