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このほかにも重力補償体だのベクトル転換だのと付け足されが、さっぱり理解できなかった。なので小暮はすっかり記者のプライドは捨てて、記録係に徹するしかないと諦めた。
半ばパニック状態のような慌ただしい出国のすえたどり着いたのは、まさに想像した通りのサバンナであった。正確にはサバンナより酷い、草もまばらな荒れ地の真っ只中である。そこには異様な機械が待ち構えていた。
直径30mはあろうかというドーム状の鉄骨組みの中に、やはりドーム状の金属の塊が、鉄骨にローラーやモーターを介して合体している。よく見るとその下面は地上の台座から1㎝ほど離れており、目には見えないが中心あたりに複雑な機械の柱がある。佐原の説明ではこの中心の機械がセグメントと呼ばれるコアで、ここで様々な金属試料を混ぜ合わせるという。
もちろん細かい説明を受けたが、レコーダーが記録しているので理解することはなかった。
現場はこのアマテラスと呼ばれるドームメカを中心に、種々雑多な機材が設置されていた。
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