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少年が1Aと表記された教室の後ろ側の扉から中に入ろうとした頃には、もう既にホームルームの時間が始まろうとしていた。
とは言っても、少年が到着した時刻は集合時間ちょうどギリギリだ。
本来なら30分くらい前にはもう着いている予定だったのだが、道中で事件などに遭遇し、予想以上に時間がかかってしまったのだ。
教室の中を見渡すと、遅れてきた少年を見る生徒と、黙って前を見ている生徒、そして登校初日から教室後ろのスペースに布団を敷いて爆睡しているアホな生徒がいた。
少年は全力で寝ている生徒をスルーすることにしたらしい。
少年は教室にあるはずの自分の席を探す。
そして窓側の一番後ろの席と、その前の席が空いていることに気がついた。
一番後ろの隣の席も空いているのだが、その席には既に巨大な重箱が置いてあるので少年の席ではないだろう。
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