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少年はくだらないコントをしている2人を無視して席を探した。
とはいえ、少年が確認する必要があるのは2つの席のみ。
そして難なく自分の席を見つける。
どうやら窓側の一番後ろの席らしい。
必然的に先ほどの少女が少年の前の席に座る。
少年から見れば背中しか見えないのだが、明らかに不機嫌と分かる威圧感や近寄るなオーラを纏っているため、並大抵の者では話しかけることはできないだろう。
もっとも、少年は彼女に話しかける気などさらさら無かったのだが。
「よし、全員揃ったな。今から入学式までの間に自己紹介をする」
そう言いつつ、ポテトチップスおふくろの味を食べている若い男性はめんどくさそうにホームルームを進める。
「とりあえず、俺の名前はクレアだ、以上。じゃあ、そこのお前から順に自己紹介を始めろ」
名前しか言わずに、強制的に自分の自己紹介を終えたクレア。
彼は茶色い髪を目にかからない程度に7:3で分けており、後ろの髪を生え際が見えないところまで伸ばしている。
顔立ちは整っており、顎にも丸みがない美形だ。
身嗜みにも気を使っているのか、着こなしている灰色のスーツもシワがなく、ネクタイもきっちりと結べている。
眉毛は細く、まつげは長い。
男性にしては鮮やかな色をした唇に、綺麗な頬。
身長も高く、スラッとしている。
一見、物凄くモテそうなのだが、残念なことに目が死んでいて雰囲気がホワホワしているため、いろいろと台無しになっている。
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